
企業情報
1990年創業、埼玉県さいたま市に事務所を置く。個人商店から中小企業、大手企業に至るまでITに関するトータルプロデュースを行い、高い評価を得る。1台のパソコンから始める「IT化への第一歩」の支援、ビジネスモデルの構築、インターネットによる「お客様のビジネスネットワーク」のプロデュースなど幅広くコンサルティングし、現在は埼玉県庁からも依頼を受けて活動の場を広げている。
民間人として行政機関のITアドバイザーに
シュロス・システムコンサルティングの代表である武城文明さんは、民間企業のITシステム化に関する全般的なコンサルテーションを行うほか、埼玉県庁IT総合コンサルタント(通称ITアドバイザー)としても活躍しています。埼玉県でこの肩書きを持つのは武城さんただ一人。
きっかけは2004年の春ごろ、社会保険庁のずさんな年金管理が明るみに出たり、行政機関におけるIT関連の維持管理契約の不透明さが取り沙汰されたりしたことです。
埼玉県でもIT関連のコストがふくらみ、改善策を模索していました。
“こうしたほうがいい”と助言するだけでなく、一緒になってやってくれる人が欲しい。ITのすべてに精通していて、根本的な問題から解決してくれる人が求められていたのです。
そこで白羽の矢が立ったのが武城さん。埼玉に長年、住んでいるだけでなく、民間人で、どこのメーカーとも関係を持たないニュートラルな立場であることが決め手になりました。
「自治体には、一般企業でいう事業部に当たる“局”がいくつもあって、それぞれ管轄が違います。でもITに関しては『運営はIT局だけど契約したのは他の局』など、関係する局がまたがっているケースが多く見られるのです。特定の組織に所属している庁内職員と違って、フリーな立場の民間人なら、どの局に対しても自分の責任でモノが言えます。すべての局で動きやすくメーカーのしがらみもない、ということで2004年8月から、情報システムの見直しを中心としたITの適正化のお手伝いさせていただくことになりました」。
政府が推進している電子政府構築計画のなかにもCIO(情報化統括責任者)やCIO補佐官がありますが、ITアドバイザーとはどのような違いがあるのでしょうか。
「CIOやCIO補佐官は公務員で、ITアドバイザーは民間人です。埼玉県の場合、CIOやCIO補佐官を設定しようとすると、どうしても公務員の序列の中に組み込まれてしまいます。そこで埼玉県では私をITアドバイザーと呼ぶことにしました。どこの部署にも属さないおかげで各組織を“たすきがけ”で動くことができ、時には組織と組織の間のかけ橋として、とてもうまく機能しているといえます」。
行政機関のITコスト削減は、民間企業とは違ったご苦労があるのでは?
「確かに最初は苦労しましたね(笑)。埼玉県では2005年度から3カ年計画で『新ITアクションプラン』に取り組んでいます。これは『電子県庁化の推進』と『ITを活用した施策の推進』を2本柱に、ITの活用によって安心・安全で活力に満ちた県民生活を実現しようというもの。私はこの計画の一環として、基幹系コストを30%削減することを宣言するよう助言しました。これを県民の皆さんに向けて明確に打ち出そうとしたところ、猛反対にあいましてね。『もしこれが実現できなかったら、君は責任を取れるのか』という質問があちこちから殺到したのです」。
この数字を出すと言った以上、出せなかった場合は誰かが責任を取らなければならない。これが役所の“常識”です。それを武城さんは「必ず実現するから心配いらない」と突っぱねました。もちろん言葉だけでは誰も信用してくれませんが、武城さんには、その前年度末に、運用管理に関する契約を見直すことで年間1億円のコスト削減を手助けし成功させた実績があったのです。これによって県庁の人たちを納得させることに成功しました。





